起源と歴史
カベルネ・フランはフランス南西部バスク地方を起源とし、ボルドーとロワール渓谷で何世紀にもわたって栽培されてきた。カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロの親品種であり(ソーヴィニヨン・ブランとの交配でカベルネ・ソーヴィニヨンが、マドレーヌ・ノワール・デ・シャラントとの交配でメルロが生まれた)、ボルドーの偉大なブレンドの基盤を形成する。ボルドー右岸のサン・テミリオンでは、シャトー・シュヴァル・ブランの主要品種として世界的な名声を獲得した。ロワール渓谷のシノンとブルグイユでは単一品種ワインの傑作が生まれる。
栽培地域
ボルドー右岸のサン・テミリオンとポムロールでは、メルロやカベルネ・ソーヴィニヨンとのブレンドにおいて重要な役割を果たす。ロワール渓谷のシノン、ブルグイユ、ソミュール・シャンピニーが単一品種の聖地である。イタリア北東部のフリウリでも長い歴史がある。ニューヨーク州のフィンガー・レイクスやロングアイランド、カナダのオンタリオ州でも冷涼気候に適した品種として成功している。中国の寧夏でも近年注目されている。
ワインの特徴
カベルネ・フランはカベルネ・ソーヴィニヨンより淡いルビー色で、より軽いボディを持つ。香りにはラズベリー、レッドカラント、スミレ、ピーマン(特徴的なピラジン香)、鉛筆の芯、ハーブのニュアンスが広がる。口中ではカベルネ・ソーヴィニヨンより穏やかなタンニンと中程度の酸味が特徴で、シルキーなテクスチャーとエレガントな余韻を持つ。ロワールの冷涼な気候ではハーバルで繊細なスタイルとなり、ボルドーの温暖な環境ではよりリッチな表現を見せる。
料理との相性
カベルネ・フランのハーバルなニュアンスとミディアムボディは、ハーブを使った料理との天然の相性を示す。ローストラム(ローズマリーとタイム添え)、鶏肉のエストラゴン風味、仔牛のソテーが古典的なペアリングである。赤ピーマンやナスのグリル、ラタトゥイユとも調和する。山羊チーズ(特にサント・モール・ド・トゥーレーヌ)との組み合わせはロワールの伝統である。
注目のワイン
- シャトー・シュヴァル・ブラン (サン・テミリオン) — カベルネ・フラン主体の最高峰
- クロ・ルジャール レ・ピュイユ (ソミュール・シャンピニー) — ロワールのカルトワイン
- ベルナール・ボードリー レ・グレゾー (シノン) — テロワール重視のエレガンス
- ラング&リード カベルネ・フラン (ナパ・ヴァレー) — カリフォルニアの専門生産者