起源と歴史
リースリングはドイツのライン地方を原産とし、15世紀に最初の文献記録が残されている。ライン川とモーゼル川沿いの急斜面のブドウ畑で何世紀にもわたって栽培されてきた。19世紀にはボルドーのグラン・クリュと同等の価格で取引される世界最高の白ワインとして認められていた。20世紀後半の甘口ワイン離れの影響を受けたが、近年は辛口リースリングの台頭により再び世界的な注目を集めている。
栽培地域
ドイツのモーゼル、ラインガウ、ファルツ、ナーエがリースリングの心臓部である。モーゼルの急峻なスレート斜面は、世界で最も繊細でエレガントなリースリングを生む。フランスのアルザスでは、より豊かでフルボディなスタイルが造られる。オーストリアのヴァッハウ渓谷とカンプタールも重要な産地である。オーストラリアのクレア・ヴァレーとエデン・ヴァレー、ニューヨーク州のフィンガー・レイクス、ニュージーランドのワイパラも優れた表現を生み出している。
ワインの特徴
リースリングは淡い麦わら色からゴールドの色調を持ち、熟成とともに深い黄金色に変化する。香りは非常にアロマティックで、ライム、グリーンアップル、白桃、アプリコットの果実香に、白い花、蜂蜜、石油(ペトロール)のニュアンスが加わる。辛口から極甘口まであらゆるスタイルで造られるが、いずれのスタイルでも鮮烈な酸味が共通の特徴である。最も軽いモーゼルのカビネットはアルコール度数7.5%に過ぎないが、驚くべき複雑さと長寿命を持つ。
料理との相性
リースリングの多様なスタイルは幅広い料理に対応する。辛口リースリングは和食——寿司、刺身、天ぷら——との相性が素晴らしく、日本のソムリエからも高く評価されている。やや甘口のシュペートレーゼはタイ料理やインド料理のスパイスとの調和が見事である。アルザスのリースリングはシュークルートやフォアグラとの伝統的ペアリングで知られる。甘口のアウスレーゼやベーレンアウスレーゼはフルーツタルトやブルーチーズと合わせる。
注目のワイン
- エゴン・ミュラー シャルツホーフベルガー (モーゼル) — 世界で最も高価なリースリング
- トリンバック クロ・サント・ユヌ (アルザス) — 辛口リースリングの金字塔
- F.X.ピヒラー ウンエントリヒ (ヴァッハウ、オーストリア) — オーストリアの至宝
- グロセット ポーリッシュ・ヒル (クレア・ヴァレー、オーストラリア) — 南半球の基準的リースリング