起源と歴史
ゲヴュルツトラミネールはイタリア北部のトラミン村(現在のテルメーノ)を発祥とし、その名前は「スパイスの効いたトラミナー」を意味する。サヴァニャン・ブランの芳香的な突然変異種であり、ピンクがかった果皮を持つ。アルザスで最も名声を得ており、同地方の4つの「高貴な品種」のひとつに数えられている。その強烈なアロマと独特の個性から、ワイン愛好家の間では好みが分かれるが、熱心なファンも多い品種である。
栽培地域
フランスのアルザスがゲヴュルツトラミネールの王国であり、グラン・クリュ畑から世界最高の表現が生まれる。ドイツのファルツとバーデン、イタリアのアルト・アディジェ(南チロル)でも伝統的に栽培されている。ニュージーランド、オーストラリアのクレア・ヴァレー、チリ、アルゼンチンでも少量ながら栽培されている。冷涼な気候で最も成功するが、暑すぎると酸味が失われてバランスを欠くことがある。
ワインの特徴
ゲヴュルツトラミネールは深い黄金色からオレンジがかった色調を持つ。香りは世界で最もアロマティックな品種のひとつであり、ライチ、バラの花びら、ジンジャー、トルコ菓子(ローズウォーター)、スパイスの強烈で華やかなアロマが広がる。口中ではフルボディで粘性があり、低めの酸味と高いアルコール度数、そしてわずかなフェノール系の苦味が特徴的である。辛口から甘口まで造られるが、ヴァンダンジュ・タルディヴやセレクション・ド・グラン・ノーブルの甘口は特に壮麗である。
料理との相性
ゲヴュルツトラミネールの芳香的な個性は、スパイスの効いたアジア料理との驚くべき相性を示す。タイのグリーンカレー、インドのタンドーリチキン、中華の四川料理とのマリアージュは有名である。アルザスの伝統料理——マンステールチーズ、フォアグラ、シュークルート——も定番のペアリングである。モロッコのタジンやインドネシアのサテーなど、エキゾチックな料理全般との相性が良い。
注目のワイン
- トリンバック ゲヴュルツトラミネール SGN (アルザス) — 甘口の極致
- ツィント・フンブレヒト ゲヴュルツトラミネール ゴールデール (アルザス) — グラン・クリュの壮麗さ
- ホフシュテッター ゲヴュルツトラミネール (アルト・アディジェ) — イタリアの優美な表現
- ローソンズ・ドライ・ヒルズ ゲヴュルツトラミネール (マールボロ) — ニュージーランドの秀逸な例