起源と歴史
コルシカ島のワイン造りは、紀元前6世紀のギリシャ人入植者によって始められた。その後ローマ帝国、ジェノヴァ共和国の支配を経て、1769年にフランスに併合された。ジェノヴァ時代にイタリアの品種が持ち込まれ、今日のコルシカワインの骨格を形成した。長年バルクワイン生産が主であったが、1990年代以降に品質革命が起こり、固有品種を活かした高品質ワインが国際的な注目を集めている。
テロワールと気候
コルシカ島の地中海性気候は、年間2,700時間の日照、暑く乾燥した夏、穏やかな冬が特徴である。しかし島の山岳地形(モンテ・チントは標高2,706メートル)が気候に複雑さをもたらす。海風が沿岸部を冷やし、標高が夏の暑さを和らげ、夜間の冷涼さがブドウの酸味を保持する。マキ(灌木地帯)の芳香——シスタス、マートル、イモーテル、ローズマリー——がワインに独特のハーバルなニュアンスを与えるとされる。西部は花崗岩、東部は片岩、平野部は石灰岩と粘土と、土壌も多様である。
主要なアペラシオン
パトリモニオが島で最も権威あるAOCであり、粘土石灰岩と片岩の土壌からニエルキオ種の深い赤、エレガントなロゼ、ヴェルメンティーノのミネラル感豊かな白が造られる。アジャクシオは花崗岩土壌上のシアカレッロ種の繊細でシルキーな赤ワインで知られる。ヴァン・ド・コルスAOCとその5つの地理的表示——カルヴィ、サルテーヌ、フィガリ、ポルト・ヴェッキオ、コトー・デュ・カップ・コルス——が島全体をカバーする。ミュスカ・デュ・カップ・コルスは天然甘口ワインの隠れた名品である。
代表的なワイン
- アントワーヌ・アレナ カルコ (パトリモニオ) — ニエルキオの純粋な表現
- クロ・カナレッリ シアカレッロ (フィガリ) — 固有品種の卓越した表現
- ドメーヌ・アバトゥッチ キュヴェ・フォスティーヌ (アジャクシオ) — ビオディナミによる祖先品種の表現
- クロ・ニクロジ ミュスカ・デュ・カップ・コルス — 金色の甘美なネクター