起源と歴史
グルナッシュ(スペインではガルナッチャ)はスペインのアラゴン地方を原産とし、中世にアラゴン王国の領土拡大とともに地中海沿岸全域に広がった。サルデーニャ(カンノナウ名義)、南フランス、北アフリカ、そしてオーストラリアへと伝播した。かつてはバルクワイン用の品種とみなされていたが、近年は古木(ヴィエイユ・ヴィーニュ)からの高品質ワインが世界的に再評価されている。栽培面積では世界で最も広く栽培される黒ブドウ品種のひとつである。
栽培地域
南部ローヌのシャトーヌフ・デュ・パプが、グルナッシュの最も名高い産地であり、ブレンドの主要品種として使用される。スペインのプリオラートでは、古木のガルナッチャから驚異的な凝縮感を持つワインが生まれる。サルデーニャのカンノナウ・ディ・サルデーニャは独自の表現を持つ。オーストラリアのバロッサ・ヴァレーとマクラーレン・ヴェイルでは、100年を超える古木が残存し、希少で貴重なワインを産出する。ラングドック・ルーションでも広く栽培されている。
ワインの特徴
グルナッシュは中程度のルビー色で、縁にオレンジ色の輝きを持つワインを生む。香りにはレッドベリー(ラズベリー、ストロベリー)、チェリー、スパイス(白胡椒、シナモン)、ガリーグ(地中海の灌木地帯のハーブ香)のニュアンスが広がる。口中ではアルコール度数が高めで豊かなボディを持ちながらも、タンニンは穏やかで丸みがある。ブレンドにおいてはシラーやムールヴェードルとのGSM(グルナッシュ・シラー・ムールヴェードル)が有名である。
料理との相性
グルナッシュの温かみのある果実味とスパイス感は、地中海料理と天然の相性を示す。ラタトゥイユ、プロヴァンス風の煮込み料理、グリルした野菜が素晴らしいパートナーである。ラムのローストやメルゲーズソーセージ、パエリヤなどのスペイン料理とも好相性である。トマトベースのピッツァやパスタ、オリーブタプナードとも調和する。チーズではブリーやカマンベールなどの穏やかなタイプが合う。
注目のワイン
- シャトー・ラヤス (シャトーヌフ・デュ・パプ) — 純粋なグルナッシュの神話的存在
- アルバロ・パラシオス レルミタ (プリオラート) — スペインで最も高価なワインのひとつ
- ドメーヌ・ド・ラ・ジャナス (シャトーヌフ・デュ・パプ) — 伝統的なグルナッシュの表現
- トルブレック ラン・リグ (バロッサ・ヴァレー) — オーストラリア古木グルナッシュの傑作