起源と歴史
ピノ・グリージョ(フランスではピノ・グリ)はピノ・ノワールの突然変異種であり、グレーがかったピンクの果皮を持つ。ブルゴーニュが原産地とされ、中世にはフランス各地で栽培されていた。アルザスでは「トカイ・ピノ・グリ」の名で長い歴史を持つ。19世紀にイタリア北東部に伝わり、20世紀後半にピノ・グリージョとして世界的な人気を獲得した。現在では軽快な白ワインの代名詞的存在であるが、産地によっては複雑で深みのあるワインも造られている。
栽培地域
イタリア北東部のトレンティーノ・アルト・アディジェ、フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア、ヴェネトが最大の生産地であり、軽快でクリスプなスタイルが主流である。フランスのアルザスでは、より豊かで芳香的なピノ・グリが造られ、グラン・クリュの格付けも存在する。ドイツ(グラウブルグンダー名義)、オレゴン州、ニュージーランドでも栽培されている。オレゴンのピノ・グリはアルザスとイタリアの中間的スタイルとして注目されている。
ワインの特徴
ピノ・グリージョのスタイルは産地によって劇的に異なる。イタリアのスタイルは淡い麦わら色で、白桃、洋ナシ、レモンのデリケートな香りと、軽いボディ、クリスプな酸味が特徴である。アルザスのピノ・グリは黄金色が深く、蜂蜜、スパイス、スモークのリッチなアロマ、フルボディの口当たりで、辛口から甘口まで幅広い。オレンジがかった果皮の色素により、長いスキンコンタクトを行うと銅色のオレンジワインにもなる。
料理との相性
軽快なイタリアン・スタイルは前菜やアペリティフとして最適であり、カプレーゼ、シーフードサラダ、リゾット・プリマヴェーラとの相性が素晴らしい。リッチなアルザス・スタイルはフォアグラ、スモークサーモン、クリームソースの料理とよく合う。白身魚のグリルやレモンバターソースの鶏肉もよいペアリングである。和食では天ぷらや焼き魚との組み合わせが推奨される。
注目のワイン
- ツィント・フンブレヒト ピノ・グリ ランゲン・グラン・クリュ (アルザス) — ビオディナミの極致
- ヴィエ・ディ・ロマンス ピノ・グリージョ (フリウリ) — イタリア最高峰のピノ・グリージョ
- エレナ・ワルヒ ピノ・グリージョ (アルト・アディジェ) — アルプスの清涼感
- キング・エステート ピノ・グリ (オレゴン) — アメリカの洗練されたスタイル