起源と歴史
トカイはハンガリー北東部に位置し、世界初の公式に格付けされたワイン産地のひとつである(1737年の王令による畑の分類)。トカイ・アスー(貴腐甘口ワイン)は「ワインの王にして、王のワイン」と称され、ルイ14世をはじめとするヨーロッパの王侯貴族に愛された。社会主義時代の品質低下を経て、1990年代以降に外国投資と地元生産者の努力により劇的な品質復興が実現した。
テロワールと気候
トカイはボドログ川とティサ川の合流地点に位置し、秋の朝霧がボトリティス・シネレア(貴腐菌)の発生に理想的な条件を作る。火山性土壌——流紋岩、凝灰岩、ロエス——がワインに独特のミネラル感を与える。大陸性気候であり、暑い夏と寒い冬が特徴だが、川の影響で秋が長く温暖であり、貴腐菌の発展に必要な湿度を提供する。
主要なアペラシオン
トカイDOPがすべてのワインをカバーする。トカイ・アスーは6プットニョシュ(現在は単にアスーと表記)の貴腐甘口ワインが最も有名であり、最低18ヶ月の樽熟成を経る。トカイ・エッセンシアは究極の甘口であり、貴腐ブドウから自然に流れ出た果汁のみから造られる。近年は辛口のフルミント白ワインが注目を集めており、テロワール表現の多様性を示している。マード、メジェス・ザーロス、タルツァルなどの村名が品質の指標となる。
代表的なワイン
- ロイヤル・トカイ エッセンシア — トカイの究極の甘口
- イストヴァン・サーペシ マード アスー — テロワール重視のモダンな表現
- ディスノーコー トカイ・アスー — 一貫した品質の基準
- サモロドニ ドライ・フルミント — 辛口スタイルの先駆者