起源と歴史
マルサンヌはフランス北部ローヌ渓谷を原産とし、ドローム県マルサンヌ村にちなんで名付けられた。ルーサンヌとともに北部ローヌの偉大な白ワインを支える双璧の品種であり、エルミタージュ・ブランやサン・ジョゼフ・ブランの主要品種として使用される。オーストラリアのヴィクトリア州には1860年代に持ち込まれ、特にゴールバーン・ヴァレーの古木が世界最古のマルサンヌの畑として知られている。比較的無名ながら、ワイン通の間で高く評価される品種である。
栽培地域
北部ローヌのエルミタージュ、クローズ・エルミタージュ、サン・ジョゼフ、サン・ペレが伝統的な産地である。エルミタージュの白はマルサンヌ主体で造られ、数十年の熟成が可能な偉大なワインとなる。オーストラリアのゴールバーン・ヴァレーにあるタビルク(Tahbilk)は1927年植樹の古木を持ち、世界最古のマルサンヌの畑として知られる。ラングドック・ルーションでも広く栽培されている。カリフォルニアのセントラル・コーストでもローヌ・レンジャーズにより栽培が増加している。
ワインの特徴
マルサンヌは深い黄金色の色調を持ち、粘性のあるワインを生む。香りにはアーモンド、白桃、洋ナシ、蜂蜜、アカシアの花、マジパンのニュアンスが広がる。口中ではフルボディで丸みがあり、低めの酸味とオイリーな質感が特徴的である。若いうちはややシンプルに感じることがあるが、優れた生産者のワインは瓶熟成により驚くべき複雑さを発展させる。ルーサンヌとのブレンドでは、ルーサンヌの酸味と芳香がバランスを加える。
料理との相性
マルサンヌのリッチなテクスチャーと穏やかな酸味は、クリーミーな料理との相性が良い。鶏肉のクリーム煮、リゾット、白身魚のバターソースが古典的なペアリングである。ローストした鶏肉やターキー、豚肉のロースト(特にフルーツソース添え)とも調和する。グリュイエールやエメンタールなどのスイスチーズ、ナッツやドライフルーツを使った料理とも好相性である。
注目のワイン
- シャプティエ エルミタージュ ド・ロレ (ローヌ) — マルサンヌの壮大な表現
- ジャン=ルイ・シャーヴ エルミタージュ・ブラン (ローヌ) — ローヌ白の頂点
- タビルク マルサンヌ (ゴールバーン・ヴァレー、オーストラリア) — 世界最古の畑からの表現
- アラン・グライヨ クローズ・エルミタージュ・ブラン (ローヌ) — 優れた品質と価値